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2013年12月6日金曜日

「和食」無形文化遺産に登録決定 紀州漆器にも期待高まる!

日本の「和食」無形文化遺産に登録決定/12月5日

日本の「和食」無形文化遺産に登録決定
世界各地の伝統文化などを保護するユネスコは、日本の「和食」の食文化が世代を越えて受け継がれているなどとして、無形文化遺産に登録することを決め、今後、「和食」の食文化をどう保護するかが課題となります。
ユネスコ=国連教育科学文化機関は4日にアゼルバイジャンの首都バクーで委員会を開き、日本の「和食」の食文化を無形文化遺産に登録するかどうか審議しました。
その結果、「和食」の食文化が、正月に見られるように新鮮な食材を使ったおせち料理を囲んで、家族で食事を取るなど、世代を越えて受け継がれ、地域の結びつきを強めているなどとして、無形文化遺産に登録することを決めました。
日本の無形文化遺産の登録は、歌舞伎や能楽などに次いで22件目となります。
登録の決定のあと、ユネスコ日本政府代表部の門司健次郎大使は「自然を尊重する日本の精神に基づいた、和食の心まで含めたものが日本の食文化として理解されると強く期待する」と述べ、世界中で「和食」がより深く理解されることに期待を示しました。
また、文化庁の青柳正規長官は「欧米のレストランでは、和食らしいけれども和食でないようなものがたくさんある。和食というブランドをどう維持するかが課題だ」と述べ、「和食」の食文化の保護に取り組んでいく姿勢を強調しました。

末永く引き継ぎ、海外にも発信を

安倍総理大臣は、「日本人の食文化『和食』が登録され、心からうれしく思う。先人が育み残してくれた瑞穂の国の象徴である日本人の大切な食文化を、国民の皆さんとともに、末永く後世に引き継いでいきたい。また、海外の方々にも『和食』のよさを理解いただけるよう、さらに発信していきたい」というコメントを発表しました。

誇りを持って次世代へ

静岡文化芸術大学の学長で、和食を申請するための検討会の会長を務めた熊倉功夫さんは、登録が決まったことについて、「世界の無形文化遺産として永遠に和食が残ることになりますので、日本人としてとても喜ばしいと思います」と喜びを語りました。
そのうえで熊倉さんは申請した背景について、「登録を目指した本当の気持ちは、和食が国内で大変大きな危機にあるという、危機感から来ている。われわれの家庭を考えてみても、若者の和食離れなど家庭の味が伝わりにくくなっていることが大きな問題と考えた」と振り返り、「今回の登録を機に日本人自身が和食に対してもっと誇りを持って、次世代につないでいく決意をするいいチャンスだと思う」と話していました。

遺産登録の意義と課題

ユネスコの「無形文化遺産」は伝統文化や祭礼、それに伝統工芸品を保護しようというもので、日本ではこれまでに能楽や歌舞伎、それに京都祇園祭の山鉾行事など21件が登録されていて和食が22件目です。
世界の食文化の「無形文化遺産」登録については、これまでフランスの美食術やイタリアなどの地中海料理、メキシコの伝統料理、トルコの麦かゆ食=ケシケキがあります。
いずれも単に料理だけではなく、各地の伝統や食事の楽しみ方、その歴史的背景などが評価され登録されています。
無形文化遺産に登録されると、それを保護するための継続的な措置が求められます。
つまり、今回登録された和食も、保護されるべき食文化に位置づけられたことになります。
和食を保護する背景には、若者を中心とした深刻な和食離れがあります。
文化庁によりますと、ユネスコの無形文化遺産に登録されたあと、保護措置が継続されないために登録が取り消されたケースはないということですが、今後、すべての日本人が担い手となって和食文化を継続的に保護する役割が求められます。

食文化守る活動を強化へ

「和食」の無形文化遺産への登録を受けて、国は、日本の食文化を守る活動を一段と強化することにしています。
日本では、伝統的な食文化が失われつつあることや、肥満や生活習慣病を引き起こす食習慣の改善が課題となっています。
このため、国は、おととし5年後の具体的な数値目標を定めた食育推進基本計画をまとめ、「食育」の取り組みや食文化を継承する活動を支援しています。
例えば、平成27年度末までに、学校給食で使う食材について地元の都道府県でとれたものの割合を増やし、3割以上にするという目標を掲げています。
また、農林水産省は中高生を対象に、「和食」の特徴や守るべき文化について解説した入門書「和食ガイドブック」を作成し、ホームページで公開しているほか、今年度は、地域の食文化を広める活動を行う団体などに対して、新たな交付金を創設しました。
さらに、海外で、日本の食材の模倣品が出回っていることから、生産された地域名が入った食材や加工品を保護するための新たな制度の導入を検討したりしています。
国は、今後もイベントや展覧会などを開いて、和食や伝統的な食文化を守る活動を一段と強化することにしています。


和食 紀州漆器の街も期待/12.05NHKわかやま

「和食」の食文化がユネスコの無形文化遺産に登録が決まったことを受けて、海南市では特産の「紀州漆器」で和食を楽しむ人が増えるのではないかと期待が高まっています。
「紀州漆器」は、室町時代から海南市などに伝わる伝統工芸品で、漆塗りの美しいわんや皿などが和食の器として使われています。
地元では、和食の食文化がユネスコの無形文化遺産に登録が決まったことをきっかけに漆器を使って和食を楽しむ人が増えるのではないかと期待が高まっています。


うるわし感
うるわし館内


黒江ぬりもの館(築150年の漆器職人の家)

黒江ぬりもの館内

伝統工芸士・谷岡敏史
同氏の作品

紀州漆器協同組合の田村彰男専務理事は「最近は和食を食べる機会も減り漆器の需要も減っているので、日本料理を紀州漆器で味わう機会が増えればうれしいです」と話していました。
また、60年にわたって漆器を作り続けている伝統工芸士の谷岡敏史さんは、「手のぬくもりを漆器に込めて作っているのでこれをきっかけに多くの方に紀州漆器を使ってほしいです」と話していました。

2 件のコメント:

  1. こんにちは♪
    和食が指定されたことは喜ばしいことですが、芸術品といえる割烹料理もさることながら、郷土食にも是非脚光を浴びせてもらいたいものです。各地を旅行するとその郷土料理の豊かさには眼を見張るものがあります。また、それにちなむ歴史にもその地方地方のさまざまな歴史が反映されています。そのかたちをはぐくんだ郷土というものにももっと眼を向け、自分たちの地方の誇りとなす教育を行っていただくことを望みます。
     また、和食の容れものとしての「器」にも、さまざまの歴史や逸話があり、そういうものを用いた総合的な歴史を教育することも望みたく思います。

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  2. わたしの趣味の一つは焼き物の窯元巡りがあります。西日本の有名な窯元の多くは秀吉の
    朝鮮出兵時従った各藩が現地から拉致してきた現地の焼き物職人の後裔が藩の指示にて
    開設した窯が十数代の今日まで営々と続いています。
    それは焼き方もあるでしょうが、その多くは素材となる粘土の違いと云っても好いでしょう。
    各窯元の作品の違いはEYASUKOさんの仰有る郷土料理のバラエティーにあたると思います。
    かつてビジネスで出張した時は金曜日に用件が終われるよう予定を組み、週末は旅行先周辺の
    観光や郷土料理を楽しんだことがよくありました。
    紀州という土地柄は食材も多く、地元には漆器という和食には最適な食器があります。
    立体的なコラボで和食文化が花開くことに期待したく思います。

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