0d850982.jpg2007年の世相を現す漢字は「偽」。
日本漢字能力検定協会は、世相を漢字1つで表す年末恒例の「今年の漢字」に「偽」が選ばれたことを発表しました。発表は京都市東山区の清水寺の「奥の院」で行われ、森清範貫主が縦1・5メートル、横1・3メートルの特大の和紙に「偽」を黒々と揮毫しました。
日本漢字能力検定協会によると、応募総数9万816通のうち、「偽」が1万6550通(18%)を集めたとのこと。
2位には「食」(2444通)、3位は「嘘(うそ)」(1921通)が続き、以下「疑」「謝」「変」「政」と続きました。

マイコミジャーナルの記事によると
2007年の「今年の漢字」は「偽」。                        同協会によると偽(ギ・いつわる・にせ)は
(1)いつわる。だます。「偽悪」「偽証」「偽善」
(2)にせ。にせもの。「偽作」「虚偽」「真偽」
(3)人のしわざ。作為-を意味する漢字である。
 応募者の理由によると、食肉や野菜の産地偽装、加工食品の原材料偽装、大手菓子メーカーやファーストフード店、名門の老舗料亭の賞味期限改ざんなど身近な食品に次々と偽りが発覚したことが「偽」が選ばれた最も大きな要因とされている。
とのこと。

嘘にまみれたこの1年・・・本当にいろいろ「偽」にまつわる事件が起きましたね。

まずは、食品。
不二家の賞味期限切れの原材料使用に始まり、ミートホープの食肉偽装事件。さらに石屋製菓の「白い恋人」の賞味期限切れ商品の販売。さらに「赤福」の消費期限の改ざん。そして、船場吉兆の産地偽装と賞味期限切れ商品の販売・・・大手企業や「老舗」といわれる有名な企業が、あっと驚くような偽装が次々と発覚しましたね。

そして、政界。
政治資金にまつわる虚偽の発言や、年金記録不備が発覚するなどの問題も理由に挙げられています。水光熱費の問題では「ナントカ還元水」という苦しみ紛れの弁明もありました。当の松岡大臣は自ら命を絶ってしまい、それが偽証なのかどうかはうやむやなままとなりましたが・・・。

「偽」と大きく揮毫された森貫主は、奉納の儀式後、「こういう字が選ばれるのは本当に恥ずかしく、悲憤に堪えない。己の利のためには人をだましてもいい、という嘆かわしい社会だ」と述べたそうです。