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2013年7月25日木曜日

今回の参議院議員選挙の結果は改憲派が75%

参院改選、75%が改憲派に(朝日・東大谷口研究室調査)

(総括)
 
 

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参院での憲法改正の賛意派は・・・
 
今回の参院選は自民党がわざと争点を巧みに隠した選挙だった。アベノミクスの成果のみを強調し安倍首相の持論である「憲法改正」「軍備増強」「原発再稼働」は伏せられたままだ(安倍首相の演説のシナリオライター(ゴースト)は和歌山から出馬した世耕弘成氏 とは専ら知られた話)。

 自民党に対抗する民主党の凋落振りがひどく、その他の野党ももう一つで、国民は白け、投票率は低下した。結果として自民党の大勝利だったが、国民全体の民意は前回の参院選挙を約1割も低下し、それだけ国民が政治から離れたと云えそうであるが・・・!

"君子豹変する”・"頭隠して尻隠さず”という言葉が昔から罷り通っている。そろそろ安倍晋三の本音が出てくるのではなかろうか? そりゃそうだ、何しろ、元首相岸信介(元A級戦犯の生き残り)の孫として生まれ、子供の頃から、大きくなったら総理になり、じいちゃん(岸)が成し遂げられなかったことを、やり遂げるよう岸の薫陶を受けて育っただけに、"三つ子の魂百まで"、祖父がなし得なかったことをやり遂げるとの(大野心をもって)政治家になったのだから、いまさら、なにおか況んやであろう!
本音である「憲法改正」「軍備増強」「消費税増税」「原発再稼働」「老人福祉切り捨て」等々、その反動ぶりが怖ろしい!
 
前にもこのブログで触れたように北野タケシ流にいえば・・・"大変なコトになりますよ”ということになりはしないか? いや実はすでになっているんです!
 
戊辰戦争(明治元(1868)年)、新政府軍と幕府軍の戦い・鳥羽伏見の戦いから始まり幕府の江戸城無血開城で終わった・いまのNHK大河ドラマ「八重の桜は」江戸城無血開城後、幕府方の会津若松城に官軍が攻めたときを描いている)
 
のとき、官軍側のテーマソングとなったのが「〽宮さん宮さん お馬の前に ヒラヒラするもの なんじゃいな あれは朝敵 征伐せよとの 錦の御旗じゃ 知らないか トコトンヤレトンヤレナ」 というトンヤレ節が大流行したそうです が、
 
平成のトンヤレ節は・・・                
"安倍さん安倍さん、言葉の前にちらちらするモノなんじゃいな~それは「憲法改正」「軍備増強」が「日本の国を強くするのを知らないか、”トコトンやれ・トンやれな~” ♪
そうです"衣の下から鎧(ヨロイ)が覗く”ように怪しいモノが見え隠れしている!

参議院選の当選者と非改選議員を合わせた新勢力のうち、憲法改正の賛成派が改憲発議に必要な3分の2(約67%)を超える75%に達した。朝日新聞社と東京大学・谷口将紀研究室の共同調査でわかった。ただ改憲の発議要件を衆参の3分の2から過半数に緩和する96条改正の賛成派は52%にとどまり、3分の2には届かなかった。

候補者の回答から当選者の分を抽出し、同じ質問に対する非改選議員の回答も合わせて分析した。回答率は当選者が98%、非改選議員が68%だった。
 改憲に「賛成」か「どちらかと言えば賛成」と答えた賛成派は、参院では2007年の選挙後に57%、10年の選挙後も61%と3分の2を下回っていた。一方、衆院では昨年の選挙後、賛成派が89%に増加。今回の参院選の結果、両院で賛成派が3分の2を超えた。
 96条改正では、賛成派が自民党の76%、日本維新の会の全員、みんなの党の83%だった。だが、反対派も自民やみんなの党内に一定程度存在するほか、連立与党の公明党は80%、民主党は93%が反対派だ。
 現状では96条改正の賛成派は3分の2に満たないため、発議する場合は自公両党内で反対派を説得したり、維新、みんな以外の野党に協力を求めたりすることが必要になりそうだ。
 また憲法9条を改正し、自衛権を明記して国防軍を保持することへの賛成派は48%だった。みんなにも中立が目立ち、公明、民主も大半が反対派だ。
 改正時期では、今後6年間に「積極的に改正すべきだ」と答えたのは改正賛成派の43%。一方、「機運が高まれば同意する」と、世論の行方を意識した回答が、改正賛成派の50%に上った。
     ◇
 〈憲法改正〉 憲法96条では、憲法改正の要件として、衆参各院で総議員の3分の2以上の賛成で発議し国民投票で過半数が賛成することと定めている。安倍晋三首相は改憲の入り口として、発議要件を衆参の「3分の2以上」から「過半数」の賛成に緩和する96条の改正を掲げている。
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「ねじれ解消」だけでいいのか?

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安倍首相の「最後のお願い」を聞く有権者=20日東京・秋葉原、
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最後のお願いをする安倍晋三首相=20日、東京・秋葉原

 
 この夏の参院選は、安倍自民党の圧勝に終わった。公明党とあわせて過半数ラインを超し、念願の「ねじれ解消」である。
 
 
 そもそも参院で「ねじれ」を起こしたのは、6年前、安倍晋三さんの「お友達内閣」の失敗で選挙に大敗したのが原因だから、リベンジをめざしたのはわかる。
しかし、安倍さんが「ねじれ解消」こそ重大事とばかりに言ったのは、ちょっとおかしくなかったか?
 

「ねじれ」かどうかは有権者側の厳粛な審判であって、「ねじれ解消」を政党の側から切り出すものではないのだから、これは国民が決めること。

■争点隠した安倍戦略

 今回、「ねじれ解消」ばかりが「焦点」になって、原発や憲法などの「争点」は浮かび上がらなかった。いや、安倍さんは、たくみに「争点」を浮かび上がらせなかった。
 20日夜、秋葉原で、安倍首相の最後の街頭演説を聞いたら、アベノミクス自賛で終始した。
こんな調子である。
 ボーナスが増えて焼き肉屋にいけば、ロースだけじゃない、カルビもホルモンもタン塩を食べようとなるでしょ。そら豆も1皿でなく2皿、ジョッキも1杯でなく2杯、帰りにタクシーに乗れば景気回復するんです。
 アベノミクスってこんなことなのかい? 選挙期間中に「非正規雇用が2000万人を超す」というニュースがあった。実に雇用人口の38%である。ブラック企業が横行して、正社員でも長時間労働で使い捨てされる。東京選挙区の街頭演説で、共産党の吉良佳子さんが「ブラック企業」と追及した外食チェーンの、その元オーナーが自民党から比例区当選するのだから、なるほど「自共対決」の様相である。
 

秋葉原演説で安倍さんは、「原発」のゲの字も言わなかった。手に手に日の丸を持つ聴衆のなかで、1人の青年が「総理、原発廃炉賛成?反対?」というプラカードを胸に静かに立っていた。
そばで警官が見張っている。子供だましの焼き肉屋談議より、私もそれを聞きたいよ。国民とじかに向き合う選挙の場で、原発にひとことも触れずに「再稼働」OKとなってしまうんだろうか。
東京ではTPPは関係ないとでもいうのだろうか、これにも一言も触れなかった。
 

 原発に触れれば反原発派を刺激するし、TPPを持ち出せば農業者が反発する、ともかく紛糾しそうな問題は逃げるが勝ち、アベノミクスという自分たちでも「まだ実感できない」というニンジンをぶら下げて忍法隠遁(いんとん)の術ともいうべき選挙戦略だったのだから、いくら野党が原発やTPPを「争点」として取り上げたって肩透かしである。
それでいて「ねじれ解消」という政局的果実だけを刈り取って、さあ、安倍内閣は「長期政権」だ、「安定政権」だというのだから、ちょっと調子がよすぎないか。

■「改憲ポピュリズム」では困る

 最大の問題は「憲法」である。安倍さんはかねて「戦後レジームからの脱却」を唱えて日本国憲法を目の敵にしているから、「長期安定政権」で狙うテーマは「憲法改正」であることは疑いない。 さて、最後の演説で「憲法」にも触れないのかと不審を抱いたら、最後の最後に出てきた。こんな具合である。
 沖縄遊説のときに、石垣島の海上保安部、宮古の自衛隊を激励してきましたよ。いのち、領土、領海を守り抜く、最前線で日本を守る彼らを誇りに思いました。断固として守ろう、誇りある日本を。憲法を変えていこうではないですか。
 

聴衆からウオーッという唸(うな)り声がわき、日の丸が揺れた。安倍さん、ナショナリズムを煽(あお)るだけでは困りますよ。憲法のどこを変えるのか、96条の先行改正をめざすのか、やはり9条改正で「国防軍」をつくるということなんでしょうね。そのあたり、ちゃんと説明してもらわなくては困る。これでは江戸時代の「ええじゃないか」みたいに、「改憲、ええじゃないか」と踊り始める「改憲ポピュリズム」ではないか。
 

  今回の参院選で、安倍さんは「ねじれ解消」の過半数は自公で制したけれども、公明党は改憲には微妙な態度である。改憲発議に必要な3分の2の議席は、自民党、日本維新の会、みんなの党の改憲積極派では届かなかった。だからといって、安倍さんが改憲をあきらめるとは思えない。

なにしろ、向こう3年間は衆院も参院も選挙をしないですむ、安倍さんの貴重な持ち時間である。「憲法改正は私のライフワーク」と明言する安倍さんがこのチャンスを逃すはずはない。
 21日夜、参院選勝利を受けて安倍首相は記者会見でこう述べた。
「改憲は国民投票の過半数の賛成がなければできるものではない。安定的な政治状況のなかで、しっかり議論を深めたい。国民の理解を得るべく努力を積み重ねたい」
 

原発もTPPも憲法も、有権者は先行きを心配しながらも、ここは「生活」優先で自民党に政権を託した。野党の自壊を目の当たりにして、原発もTPPも、そして憲法も、ここから先は安倍政権と国民がそれぞれの問題ごとに対峙(たいじ)するかたちになっていく、そんな重大な政治状況である。
(早野透=桜美林大教授、元朝日新聞コラムニストの意見にわたしの見解も加えた)
 

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