ブログ アーカイブ

2012年12月23日日曜日

今回の衆議院議員選挙にみる投票数のマジック!

  2012.12.16に行われた衆議院議員選挙で、誰しもが「自民党圧勝」「民主党惨敗」の印象を受けたが、冷静に各党派別の得票数を観察すると必ずしもそうとはいえない結果数字である。

 今回の結果を明確に判断できるよう、ここでは自民党と民主党の2党に絞って過去からの両党への投票数を時系列で並べてみると、このことがよく分かる。今回は投票率が前回より約10%近く低下する民意が政治に不信を表した投票であったが、自民党の投票数にしても小泉政権時代の「郵政民営化」の是非を問うたイエスかノーかの「郵政選挙」(2005)の得票数を大きく下回る(絶対)得票数でしかない。

 

これは、従来の中選挙区制から小選挙区制に代わった結果、1選挙区1人当選ということになったので、自民:民主党候補者が接戦を演じ、僅差でも当選すればオーライ!従って必ずしも民意を反映した選挙制度とはいいがたいし、一票の格差問題も未解決のままである。

 

そのうえ、今回の選挙で与党の党首になったある御仁(A氏)は国会開催で新しい首相に選ばれる前から、早くも首相に就任したかの言動の振る舞いよう!早くもエンジン全開の云いたい放題、この方の日銀総裁をはじめ諸々の云いたい放題には納得がゆき兼ねる!

 

   自民党も長老が引退したので、誰はばかることなきその態度の大きさ、流石は安保反対運動を弾圧した元岸首相に可愛がられた孫だけあって、岸の遺言なのか「憲法改正」「軍備増強」「大和魂復活」にかける意気込みが、いまから十分感じられる。そして、この御仁「躁」と「鬱」との両面を併せもつとおもわれ、いまは気分が高まった「躁」の状態にあるんだと思う。そして現実の庶民のことをご存じない「お坊ちゃん」育ちだけに現実の庶民の暮らしぶりを何処までご存じなのか、気に掛かる!

 

 現実に自民党が大勝したとは言いがたく、民主党がいかにも不甲斐なしなので自分で墓穴を掘った精で、議席が伸びただけのこと、民意を十分に反映しての勝利ではないことを念頭において政治の政策面でも地に足がついた政策を行って欲しい!「美しい国」づくりは聞き飽きた言葉だけに、ここは不言実行でいいから、「日本の国の力」を強めることに意を尽くして欲しく、現選挙制度は十分に民意を反映した選挙制度ではないことを云いたくて、周りにしげやん流毒舌を

少々お聴き頂いた次第である。どうぞ、毒に当たりませぬように・・・!

 

 

取得議席数

 民主自民未来公明維新共産みん社民大地国民日本改革諸派合計
当選者57294931548182110005480
選挙区272372914041010-05300
比例305772240814110-00-180
公示前231118612111985321009479欠1

 

1.2012年衆議院選挙

 2012年12月16日投票の衆議院選挙は「民主党ダメだし」が基調の結果となり、民主党は公示前230議席から57議席への惨敗、一方、自民党は118議席から294議席への圧勝となった。第3極への結集はならず多党乱立のなか、小選挙区制のロジックに従って自民党が圧勝という結果となったのである。

圧勝した自民党の複数の幹部は自分たちに風が吹いたからというわけではないと正直にコメントしている。識者の見方としては以下が妥当なところであろう。

「自民党の圧勝というより、民主党への国民の判断が非常に厳しかったという結果だ。マニフェストが実行できず、やろうとすること自体も変わってしまった。民主党がどうにもならないと思った時に、代わる政党が一つしかなかった。

ただ、3年半前に政権交代せず、自民党政権のままだったら良かったかというとそうではない。民主党には、政権運営に携わった常識的で若い人材が残った。

自民党に代わる選択肢になれるよう努力すれば、民主党も再生できるし、政権交代の意義も大きくなる。(中略)自民党が300議席に迫り、日本維新の会も第3党となったことで、諸外国からは日本が右傾化しているとの懸念が出るだろう。

しかし、私はそう見ていない。民主党が敗北した、という結果だ。」

(政権交代・私はこう見る:米コロンビア大(政治学)、ジェラルド・カーティス教授、毎日新聞2012年12月18日)

2.2010年参議院選挙
 2010年7月11日投票日の参議院議員選挙で与党民主党は10議席減の44議席と敗北、野党自民党が13議席増の51議席となり改選第1党となった(非改選を加えると民主党が106、自民84となお民主第1党)。

 こうした自民党の勝利は選挙区、特に1人区の勝利によるものであり、比例獲得票数では、民主党の減少ほどではないが、自民党も減少しており、また民主党を上回った訳でもない。

民主党の比例獲得票は2000万票を下回り自由党との合併以降最少となった。

自民党の比例獲得票も1500万票を下回り2000年以降最少となった。

みんなの党はじめ批判的な新規小党の躍進によるものであり、2大政党へ向かう動きには待ったがかかった状況である。
3.2009年衆議院選挙
 2009年8月30日投票日の衆議院議員総選挙で与党自民党は181議席減の119議席と大敗、民主党が193議席増の308議席と大勝、単独過半数(241議席)を大幅に上回る第1党に躍進した。

 比例獲得票数では、民主党が2,984万票と、はじめて、ほぼ3千万票に達した。自民党は1,881万票と2005年郵政選挙と比べて大きく票数を減少させた。

 今回衆議院選挙では、投票率が69.8%と1996年以降の小選挙区比例代表並立制発足以降最も高かったため、自民党と民主党の得票数合計は4,865万票と2007年の参議院選挙ばかりでなく2005年の郵政選挙を173万票上回った。

 民主党は2007年参議院選挙でも大勝したが、民主党の比例代表の得票は2003年の衆議院選挙以降、2000万票台前半で高位安定的に推移していた。郵政選挙で惨敗した2005年衆議院選でも比例代表では2100万票とそれほど大きく落ち込んではいなかった。

 逆に自民党は増減幅が大きく、「風頼み」の傾向が強くなっていたが、今回選挙では、政権交代の風が強く吹いて大敗につながった。

 小選挙区制度の下で、こうした比例票の推移以上に、議席数の大変化、大逆転が生じているのが印象的である。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿