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2012年5月27日日曜日

ゴルフにおける韓国女子選手強さの秘密(その2)

今年も日本プロゴルフは男女ともも 韓流ブームが止まらない!
朴仁妃
アン・ソンジュ

季知姫
李知姫





先週の日本国内ツアーは 男女共に、韓国勢の優勝だ! 女子なんて、アン・ソンジュ/ 朴仁妃 に続き 先週の 「ブリヂストンレディスオープン」 を 完全勝利で制した李知姫と 三週連続 韓国勢。
これは、2009年に申智愛、全美貞、宋ボベが 達成して以来、三シーズンぶりと なるそうだ 。 これで 今季はトータル 11試合を 消化して、韓国勢が ほぼ半数の5勝を マーク。 これでは アメリカLPGAツアーのように、気と 支持が 無くなり スポンサーが 逃げてしまうかなぁ~
男子ゴルフは 男子で、とおとうみ浜松オープンの最終日 首位に 5打差でスタートした J ・チョイ( 28歳) が65で回り、通算16アンダーで ツアー初優勝を させてしまった。 彼は米国籍と聞くが ゴルフ留学し、国籍を 取得した選手で韓国勢の一人だ。 また 手ごわい韓国勢の誕生だ! 男子も 今季 5試合を 消化して、2勝を 韓国勢、1勝が ジョーンズだ。
今年は 男女とも “韓流ブーム” が、静まる気配がない。
先々週に 抜群の安定感で優勝した朴仁妃が こんなコメントを 残している。 韓国の強さの秘訣を 「韓国は 幼い頃から凄い競争がある。 親が犠牲に なってサポートしてくれる」 また「米ツアー参戦の影響も 大きい。 幼い頃からアメリカで 育てられて 練習しているので、4ラウンドにも 慣れている」 と … 三日間大会が主な日本のツアーは、お手のものらしい。 
日本人なんて、全然 問題ないようなニュアンスだ。
日本選手のふがいない現状に 米国ツアーにも参戦している有村智恵は 「日本勢は環境に恵まれている部分が あるのかも 知れないな」 と 大会前から危機感を 募らせていたと言う。  ホント 日本選手、頑張ってほしいよなぁ~ ストップ・ザ・コリアのために!
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 わたしは先に(その1)、体格的には日本人選手と 大差がない韓国女子選手に考えられることは、日本人選手にはない「精神力の強さ」か「小さいころから特別な英才教育システムが備わり、それによって強化・育成される」ことだろうか? と書いたが、このことを語るかつて日本で活躍し、いまは韓国で若手を育成する元韓国女子プロの講演会のリポートを探り当てたので、3.4回に分割して掲載することにした。
今回はまづ第1回目です
日本ゴルフジャーナリスト協会(JGJA)で行われた金 愛淑(キム・エースク)さんの講演です。
金さんについては日本でも活躍した選手でしたからご記憶の方もおられると思います。以下に講演録をリンクしておきます。少し長い講演録ですが、韓国人選手の強さの秘密がお判り頂けると思います。

ゲストスピーチ    「韓国選手の強さの秘密」  金 愛淑 氏

さまざまな図表を示しながら韓国のプロゴルフ界の強さ

の秘密が明かされた

2008年米女子ツアーの賞金ランキングベスト100を見ると、一昨年の新人王、李宣和(S・H・リー)選手の6位をはじめ、総勢27名が韓国人選手だ。今季も、今年から本格参戦した申ジエ選手が早くもHSBC女子チャンピオンズで優勝した。男子では米ツアー通算7勝を誇る崔京周(K・J・チョイ)選手を筆頭に、今年のホンダクラシックで米ツアー初優勝のY・E・ヤン選手、最年少優勝記録を更新して欧州ツアーのジョニー・ウォーカー・クラシックを制覇したダニー・リー選手などがいる。彼らに象徴されるように、韓国出身選手の世界のプロゴルフ界での活躍はめざましい。その強さの秘密はいったいどこにあるのだろうか。

 日本ゴルフジャーナリスト協会の2009年新年会にゲストスピーカーとして、1998年のダイキンオーキッドレディス優勝など1990年代から2000代にかけて日本女子ツアーで大活躍した韓国人プロ、金 愛淑氏をお招きし「韓国選手の強さの秘密」と題して語っていただいた。
 
金愛淑
■プロゴルファー 金 愛淑(キム エー スク)
(日本女子プロゴルフ協会会員、CGAヘッドプロ)
出身地:韓国ソウル
主な資格:JLPGA正会員(外国人初)
PGAティーチングプロフェッショナル資格A級(外国人初)
日本語検定1級
主な戦歴:
1985年よりトーナメントプロとして活躍
1993年三菱電機レディスゴルフトーナメント2位
1998年ダイキンオーキッドレディースゴルフトーナメント 優勝
2001年再春館レディース火の国オープン2位
2001年 廣済堂レディスゴルフカップ 2位 など長年に渡る実績を有する
過去14年間連続シード選手として活躍
現在、玉川大学継続学習センターゴルフ教室講師も務める。
・強いゴルファーを生み出す韓国プロゴルフ界の現状と成り立ち
 韓国でのゴルフは一般の人々から見ると、かつては「お金持ちのスポーツ」といった印象が強かったのです。その当時、韓国のプロゴルファーは日本ツアーを主戦場に活躍し出していました。
 そして1998年のソウル五輪を境に韓国は高度成長期に入り、GNPが上がってくるわけです。ちょうどその時に朴セリがUSオープンで優勝し、ゴルフが国民の注目を浴びました。それ以降ゴルフに対する考え方が変わり、政府、企業、マスコミなどの対応が大きく変化し、ゴルフ人口も急増しました。朴セリのその後の活躍の影響も大きく、日本ツアーからアメリカツアーに多くの選手がチャレンジしていきました。
 韓国のプロゴルフトーナメントは男女とも20試合ほどと少ないうえ、気候の関係で、4月から11月までしか開催できません。それ以外の時季には中国とかシンガポールで試合を行うこともあります。昨年も中国で12月に開催しました。
 韓国人選手のシード権の現状は、男子がPGAで3名。JGTOで9名。男子のPGAは韓国系の選手も含めると6名になります。韓国系というのは、国籍がアメリカにある韓国出身の選手です。アンソニー・キムとかも韓国系に入ります。
 女子はLPGA33名、JLPGAで13名。そしてシード選手の他にも韓国系の選手が12名、あとクオリファイイングで5名。今年はLPGAツアーで53名の選手が参戦します。
 韓国人選手の優勝を年別で分けてみました。男子プロのほうが女子プロより活動が低調です。というのは、韓国では、男子は20歳になると徴兵制度によって、2年間ほど軍隊に入らなければなりません。軍に2年間行ってくると、体力的には強くなり、大きく成長して帰ってくるんですが、20歳過ぎという一番大事な時期にゴルフを離れるため、感覚が戻りにくく、ゴルファーの道を断念してしまう選手も多いのです。
 女子プロは著しく成長しています。1997年までをJLPGA中心の第一世代として考え、1998年以降をLPGA中心の第二世代として分けてみました。
男子ツアーはPGAで10勝、JGTOで15勝なのに対し、女子はLPGAで75勝、JLPGAで83勝。LPGAの勝利数は約10年間の間で75勝、一方、JLPGAは23年間で83勝なので、LPGAにおける韓国人選手の急成長ぶりが分かります。

 組織に関していえば、1997年までは大韓ゴルフ協会の下で男・女プロゴルフ協会という組織が、全てプロゴルファーが会長をやり、協会を運営していたんですが、1998年以降、会長や理事を外部から招聘し、プロと外部の人たちが力を合わせて協会を運営していくシステムになりました。それでゴルフ産業が大きく拡大し、そのうえに海外に雄飛した選手たちの活躍が伴うわけなんです。
 体系的な選手育成についても、国を挙げて組織を整備し、企業も力を入れはじめました。2002年のK・J・チョイ(崔京周)選手のPGAでの優勝というのは、大変大きなニュースでした。申・ジエ選手がその次に出てくるんですが、朴セリ選手のUSオープンの活躍を見て、それ以降優秀なゴルファーが続々と育ってきました。これらの選手たちは“朴セリキッズ”と呼ばれるんですが、その選手たちがゴルフ強国としての発展をもたらし、今日の韓国ゴルフ界の安定的な隆盛を可能にしたのです。
 韓国のゴルフ場なんですが、会員制クラブが二百二十八、パブリックが三十五、ソウル中心に百十ものゴルフ場が集中しています。プレー費は一プレー四人乗りカートで、八万ウォン程度です。で、キャディをつけると十万ウォン程度ですね。ここで日本とちょっと違うのは、キャディへのチップが必要なんです。昼食代とキャディへのチップを含めて、一ラウンドでだいたい十五万から二十万ウォンくらいかかります。

・コリアンゴルフの強さのファクター
  これは皆さんの一番知りたいところでもあると思うんですが、韓国人選手はなぜ強いか、という部分を外部要因と内部要因で分けてみます。
まず、外部要因としては、協会の国を代表とする選手の育成。その次が大手企業、マスコミの支援。そして練習環境があげられます。


 皆さんは「韓国人選手がものすごくスイングがいい」という話をするんですが、それについて説明します。大手企業の支援については、企業がプロゴルファーをスポンサードすることが多くなりました。その一つがサムソンでもあり、シージェーなど。シージェーと朴セリのスポンサー契約は5年間で60億ウォンという、韓国ではスポーツ選手として大きな金額が回っています。また、企業としてゴルフチームを作り、そこに所属している選手たちの練習だとか、そういう支援をしていくんです。

 マスコミの支援としては、ゴルフのテレビチャンネルができまして、多くの人がアメリカ、日本、韓国といった各ツアーで戦う選手のプレーをテレビを通じ手軽に見られるようになりました。テレビを通じて日本の横峯さくらプロだとか、不動裕理プロだとかのファンが増えてきています。

 また、ゴルフ雑誌も増え、スポーツ紙の一面にゴルフが載ることも多く、一般の人がゴルフという競技に親しむ機会が増えてきました。

 練習環境についてですが、自然環境そのものは決して良くはないんです。11月~3月まで地面が凍っている韓国ではその間、十分な練習ができないため、多くの選手たちは海外合宿やゴルフ留学をすることが多いんです。暖かいところだと東南アジア、あとはオーストラリア、ニュージーランド、アメリカなどでよく合宿をするんですが、その一ヶ月にかかる費用としては、東南アジアでは180万ウォン前後、オーストラリアは4000ドル、アメリカは6000ドルというふうに高くなります。これはプログラムによる価格変動も考えられます。
                   
                                               (つづく)

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