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2011年12月3日土曜日

「本音」と「建前」ーある辞典の広告文よりー

 12月1日A新聞を眺めていたら、ある国語辞典を出版している会社が新聞一頁を使って全面広告を出していた。
その広告たるや、「絵」や「写真」の類いが殆どなく、わずかに小さなイラストが控えめに描かれたけの全く地味な広告であったが・・・
 その中央にはキャッチコピーとして、次なるフレーズが置かれていた。物事に対して真っ正面から見るのでなく、多少ともヤブニラミでブラックユーモアを好む傾向にあるはわたしには面白く感じた。
 そこでわたしの勝手で「本音」と「建前」と受け止め、その内の半分程度を紹介することにした。
首都圏電車の中吊り広告(ビシバシ編)

  政治家、官僚、マスコミを嘆き、
  
  ふつうの人にも容赦なく、
  
  社会はきびしいものだと言い、
  
  うまいものには舌鼓をうち、
  
  女性には心を奪われ、
  
  俳優Tのドラマを好む。
  
  (そんな国語辞典を知ってますか?)

首都圏電車の中吊り広告(ラブラブ編)
(掲載の一部紹介)
・こうやく【公約】政府・政党など、公の立場にある者が選挙などの際に世間一般の人に対して、約束すること。また、その約束。〔実行に必要な裏付けを伴わないことも多い〕

・せいかい【政界】〔不合理と金権とが物を言う〕政治の社会。

・ぜんしょ【善処】相手の意向を聞いた上で、公事として処理すること。〔政治家の用語としては、さし当たってはなんの処置もしないことの表現に用いられる〕

・せんりょう【選良〔選出された、りっぱな人の意〕「代議士」の異称。〔理想像を述べたもので、現実は異なる〕

・かんりょうてき【官僚的】官僚一般に見られる、事に臨んでの独善的な考え方や行動の傾向を持っている様子だ。〔具体的には、形式主義・事なかれ主義や責任の態度など指す〕

・ジャーナリスティック〔jounaralistic〕マスコミ特有である様子。〔読者の興味をそそる話題を追求する余り、時には俗悪に流れ兼ねない風潮を批判する気持ちも一面に含む〕

・こうじんぶつ【好人物】気立てがよくて、相手に好感を与える人。〔俗に、人がいいのだけが取り柄で、ものの役に立たない人の意にも用いられる〕

・サラリーマン〔salaried man〕(運用)「サラリーマン根性」などの形で、定期的な収入を得て安定した生活をすることを第一として仕事に情熱や意欲を持とうとしない、サラリーマンの陥りがちな人生態度を、非難や皮肉の気持ちを込めて言うことがある。

・ぼんじん【凡人】自らを高める努力を怠ったり功名心を持ち合わせなかったりして、他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人。〔家族の幸せや自己の保身を第一に考える庶民の意に用いられる〕

・じっしゃかい【実社会】実際の社会。〔美化・様式化されたものとは違って、複雑で、虚偽と欺瞞に満ち、毎日が試練の連続であると言える、きびしい社会を指す〕

・せいろん【正論】すじみちがの通った、正しい議論、(主張)。〔多くは、実際には採用されたり行われたりすることがない〕

・よのなか【世の中】社会人として生きる個々の人間が、だれしもがそこから逃げることができない宿命を負わされているこの世。一般に、そこには複雑な人間関係がもたらす矛盾とか政治・経済の動きによる変化とかが見られ、許容しうる面と怒り・失望をいだかせる面とが混在するととらえられる。


以下まだまだ続きますがこの辺で終わります。(わたしも使っている、三省堂・『新明解国語辞典第7版広告より』

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