ブログ アーカイブ

2011年10月17日月曜日

幕間狂言・「たすきがけ」「たらいまわし」人事に見るロシア・中国

 先月下旬から15日まで「和歌浦の風景」とお隣の海南市黒江(わたしが生まれ育った処)の今昔をシリーズでアップしてきましたが、次の企画を考える合間に幕間を利用して近い将来のロシアの大統領選挙と中国の共産党首脳人事について、チョットのぞき見してみよう。

  いずれも独裁国家であるのはご存じの通りですが、お隣の北朝鮮は社会主義国家というものの金一族による世襲制独裁国家で、ある「国別民主主義度の調査」ではワースト!でした。これはもちろん論外です。

 そこでロシアや中国で行われようとしている首脳人事は、どう見ても「たすきがけ」あるいは「タライ回し」人事にしか見えない。「たすきがけ」「タライまわし」という言葉は、わがが国でも昔から使われ、どちらも余りいい印象のある言葉ではない。

「たすきがけ」人事・出典: 『ウィキペディア』
たすきがけ人事(- じんじ)とは、会社・団体・組織などの人事において採用される手法のひとつ。ある役職が、2種類以上の相異なる性質の集団を出身した人物により、規則的に交替で担当されることを指す。語源は、和服を着用する際のたすきが、両肩から交互に紐を下ろし結ぶことから。
・  「たらい‐まわし〔たらひまはし〕
1 あおむけに寝て、足でたらいを回す曲芸。
人や物、また権利・地位などを、ある限られた範囲内で、順送りにすること。「病院を転々と―にされる」「権力の座を―する」
       ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロシア国旗
・ロシアの例・「たすきがけ」人事

「プーチン首相、大統領復帰へ―メドベージェフ氏が支持表明、自らは首相へー(2011年 9月 25日 )
【モスクワ】 ロシアのメドベージェフ大統領は24日、来年の大統領選でプーチン首相の出馬を支持することを明らかにした。

 これにより、プーチン首相がメドベージェフ氏の強力な後継者として大統領に復帰することが確実となり、独裁的な体制がさらに数年続くほか、ロシア政府の西側諸国との関係は先行き不透明なものになる可能性が強まった。
   「統一ロシア」の党大会で支持者に応えるメドベージェフ大統領(右)とプーチン首相(左)

 来年3月の大統領選については、両氏のどちらが出馬するかとの観測が数カ月続いていたが、両氏はモスクワで開かれた最大与党「統一ロシア」の党大会で相次いで登壇し、首相職と大統領職を交換することで合意したことを明らかにすると、会場の党員は歓呼でこれを承認した。
ただ、政治アナリストは、この演出された合意劇はプーチン氏の振り付けだとされる。

  メドベージェフ大統領は同党大会で「ウラジミール・プーチンをロシア大統領候補として支持することが正しい」と述べた。
次に演壇に立ったプーチン首相は、この提案を受け入れた上で、自身が大統領に選出されれば、メドベージェフ氏は首相として「若く、精力的な新政権の首班になることができる」と述べた。
 
  メドベージェフ大統領はこの日の演説で、次期大統領をめぐるサスペンスに終止符を打ったが、多くの者にとって退位演説のように聞こえたという。メドベージェフ氏は大統領として、改革的政策を掲げ、ロシアの悪名高き追従的な 裁判制度の改善や汚職取り締まりなどを訴えた。また石油など天然資源の輸出依存から技術革新に基盤を置く経済への移行を求めた。

  しかしメドベージェフ氏の国内改革政策は目立った成果を生み出さず、オバマ米政権が打ち出した米ロ関係の「リセット」方針へのメドベージェフ氏の対応にも、プーチン氏が批判的な態度をあらわにした。
(出典・典拠及び「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版が使用することを許諾します」もしくは「バロンズ・オンラインが使用することを許諾します)

  このことについて、ロシアのプーチン首相が党首を務める最大与党「統一ロシア」が、10月14日、来年3月の次期大統領選にプーチン氏を推すことを正式に発表した。と同時にメドベージェフ現大統領が首相に転じて「双頭体制」を保つ構想を改めて示した。これこそまさに「たすき掛け」人事のモデルであろう。

 さらに、メドベージェフ大統領のときに大統領の任期を4年から6年に延長されているので、プーチン大統領時代が最低6年以上続くことになる(ロシアでは、大統領の任期は一期4年で、2期以上勤められない規定があり、プーチン氏は大統領退任に当たり、次期大統領候補にメドベージェフ氏を推し、自らは首相に就任することを宣言した。このちき、わたしは4年後の任期満了時には再びプーチン氏が大統領に名乗りを上げるのではないかと予想した。予想は現実のこととなった。

・ロシアにおける主要政党
2008年現在、国家会議(連邦議会下院)に議席を持つのは、以下の4政党である。
統一ロシア中道中道右派、穏健な保守主義
ロシア連邦共産党左派共産主義
ロシア自由民主党極右民族主義
公正ロシア中道左派社会民主主義
このうち、プーチンが党首を務める「統一ロシア」が議席の圧倒的多数を占める。

「タライ回し」人事・中華人民共和国(中国)
中国国旗(五星旗)
 ・まさに中国共産党の一党独裁国家である。

習氏、次期中国最高指導者に確定 12年党大会で交代へ
【北京共同】中国共産党の第17期中央委員会第5回総会(5中総会)は18日、政治局常務委員の習近平国家副主席(57)=序列6位=が中央軍事委員会副主席に就任することを決め、4日間の日程を終了、閉幕した。国営通信の新華社が伝えた。習氏は軍の重要ポストに就くことで、胡錦濤国家主席(67)=同1位=の後継者として次期最高指導者になることが事実上確定した。
   
 習氏は2012年の第18回党大会を経て胡氏が兼務している党総書記を継ぎ、翌13年春の全国人民代表大会(全人代)で国家主席に選ばれる見通し。胡氏が兼ねている軍の最高ポスト、中央軍事委主席の交代は2年度ずれ込む可能性もある。
  

 習氏は新中国成立後の「革命第5世代」と呼ばれ、同世代の李克強副首相(55)=同7位=も13年の全人代で温家宝首相(68)=同3位=の後を継ぐとみられる。習氏は党内や軍から幅広い支持を得ており、今後は党、国家、軍の最高権力を掌握している胡氏から習氏に党内の求心力が移っていくことが予想される。
5中総会は、新中期計画「第12次5カ年計画」の基本方針も決定。総会コミュニケは国際協力を進め、主権保護にも力を入れると強調した。
 
・近い将来の中国にたいする米国の見方
12年の国家主席交代前に制御不能に!?民主化運動を受けて中国指導部が焦り―米下院議員・2011年6月5日 
3日、訪中した米下院議員が、中国共産党指導部は12年の同指導部交代前に制御不能になる可能性を危惧していると指摘した。
        (写真は河南省鄭州市で開かれた新中国展覧会で展示の歴代国家主席。)

 2011年6月3日、訪中した米下院議員のチャールズ・ブスタニー氏は、中国共産党指導部が1年~1年半前と比べ自信を失っていると述べた。同指導部は経済、政治、軍事などあらゆる領域について焦燥感をあらわにしており、12年の同指導部交代前に制御不能になる可能性を危惧しているという。

  ブスタニー氏は、中国の高度経済成長には既に陰りが見え始めているとの認識を示し、10%を超える成長はもう戻ることはないという事実に中国指導部は直面しなければならない、と述べた。今年の経済成長率は7~8%の水準にとどまる見通しだが、これは中国経済の台頭後初めてのことだと同氏は指摘した。
同氏はまた、中国が北アフリカと中東から広がっている民主化運動の矛先が独裁政権打倒に向かっていることと、同運動における米国の影響力に怯えていると指摘。民主化運動のうねりが中国に押し寄せてくれば、12年の指導部交代前に制御不能になる可能性も否定できないという。同氏はさらに、経済における労働コストの増大とインフレ、大量の農村人口が都市に流入することによる社会の不安定などを懸念材料として挙げている。

・習 近平(しゅう きんぺい、シー・ジンピン、Xi Jinping、1953年6月1日 - )は中華人民共和国の政治家。中華人民共和国副主席、中華人民共和国中央軍事委員会副主席、第17期中国共産党中央政治局常務委員、中国共産党中央書記処第一書記、中国共産党中央軍事委員会副主席、中国共産党中央党校校長。党内序列第6位[1]。太子党のひとりで、父は習仲勲(元国務院副総理)。中国の最高指導者である胡錦濤の後継者に事実上確定している人物である。

・わたしなりに、中国共産党首脳の政治姿勢を見ていると、やはり中国共産党一党独裁国家そのものという感じが拭えない。中国では中国共産党の下に「国家」と「憲法」がおかれ、国家よりも共産党も方が上位にある。したがって、少数の中国共産党幹部の意のままに処理できる。また、贈賄・収賄はまかり通っている。幹部の汚職もよく話である。最近の例では、例の「超高速鉄道」の追突事故、それに続いての「地下鉄追突事故」、そのいずれもが信号設備の不具合が事故原因という。
 ハード面については経済大国・中国の威信をかけて最新鋭の設備を導入したが、ソフト面では最新鋭のハードを使いこなす人材・技能が備わっていないのではなかろうか?それに、事故後に採った措置や改善策が何も聞こえてこない。

 昨年のノーベル平和賞受賞の中国人が国家に批判的だと云う理由で出国できず、軟禁状態だったという。最近ようやくある程度自由の身になったと伝えきくが、中国共産党に批判的なモノは押さえ込み或いは弾圧が未だに続いているようである。

 しかし、エジプトや隣国リビヤで生じた独裁者打倒の民衆蜂起は、いまや世界的な趨勢、瞬時にして世界中を駆け巡る情報化社会は中国民衆にも及ぶ。押さえようにも押さえ切れるモノではない。米国下院議員が発言していることが、やがて中国でも現実のこととなって来るに違いない。16日の報道によれば中国共産党の第17期中央委員会第6回全体会議が15日、北京ではじまり、主要議題は「文化体制改革の深化」。経済成長に見合う文化面での発進力を高めつつ、市民間に拡がるインターネットなどのメディア管理は緩めず強化する。そんな「社会主義文化強国」の建設を指向するという。

  「格差ノー・デモ世界を駆け回る」と世界80カ国超、1千超の都市で「失業への不安を抱え、貧富の差の拡大に怒るわかもの」がデモをしたとある。わが国でも東京・六本木はじめ都内の複数の場所でもでもがあったという。おそらく時間の差はあれ、この流れはやがて中国にも拡がるに相違ない。中国共産党のメディア管理強化は大衆の圧倒的な数と力のまえに多量の血を流すことにならないかと心配だ。

2 件のコメント:

  1. ワタシは、中国という国と中国の人々は好きですが、共産党政府は好きではありません。でも、これまでの中国史を見ていると、独裁も仕方ないかなあ、とは思います。高速鉄道事故後の対応など見ていても、外国の評判を気にして、今までと変わってきているなあと感じます。お一人お一人の政治家は(たとえば温首相)、本当に大人の風格のある方が多いと思います。これからの変化に期待しています。
    人民共和国、とはいえ、結局、清朝の愛新覚羅家が、共産党にかわっただけで、帝国であることは変わらないようですよ(苦笑)。

    返信削除
  2. 玲小姐さん
    玲小姐さんというニックネームからして、中国大好き人間に
    思います。名前からして透き通るようにキレイなお姉という意味なんでしょうから、中国好きはよく理解できます。  胡錦濤国家主席や温家宝首相を個人としてみると教養を備えた温厚で人間的な人物にみえます。
    この点ロシアのプーチン首相の感じとは大違いです。
    しかしながら、共産党に中に入って指導者となると一変して仕舞います。強権的、弾圧的に民衆を押さえ込む。
    わたしも中国はすきですが、孔子・老子の世界です。
    世界中で共産党国家で繁栄した国がありません。いつの間にか独裁国家になって仕舞い、北朝鮮の国はワーストの代表です。これも権力を自らに手に握ったもののサガなんでしょうか?
    人間の欲望は無限であることを証明しているようです。

    返信削除